★9:IGDA-Japan SIG-INDIE 第7回研究会
「実践事例から学ぶプロデュース・PR術―手に取ってもらえるテクニック―」2010/09/12 (日) 18:37
「実践事例から学ぶプロデュース・PR術―手に取ってもらえるテクニック―」
に行ってきました。
IGDAについては以下の公式サイトをご覧下さいね。
http://www.igda.jp/modules/bulletin/
因みに今回の研究会におけるtwitterのハッシュタグは、#sigindieの様です。
今回は特に作品のPR・ショップへの流通に関するテーマでした。
twitterの方でも少し流しましたが、自身のとったメモを書いてみようと思います。
それに加え、最後に自身の考察も書いていこうと思います。
これは私なりに解釈したものであり、発言者の真意とは違う可能性もあります。
発表に使用されたスライドは後日アップロードされるという事なので、
詳細を知りたい方はそちらをチェックしてみて下さい。
■第一部
「日本のポピュラー音楽に見るインディーズの成立条件」
・インディーズ音楽と同人、扱うコンテンツは違うが傾向がある。
・ポピュラー音楽と同人の流通傾向の相似点。
→メディア展開の手掛かりになるのでは。
・ここでのインディーズの定義はメジャーレーベル会社以外から発売されるもの。
・コンテンツ産業の発展段階。
1:メディアを作る。しかし経験がないので他のメディアから要素を借りて構成する。(最初期)
↓
2:専用のコンテンツを作り、形式の統合。(統合期)
↓
3:形式の確立。ノウハウの流出。(分散期)
・制度化された新規参入、流通のプラットホーム、個人で賄える設備投資、がインディーズが成り立つ条件。
→ライブハウスには対バンなど、そういった機能が備わっている。
ライブハウス数は近年増加しており、新規参入の機会は増加している。
・近年において設備投資のコスト低下などからメジャーとの差はなくなってきている。
→メジャーとの違いは、広告宣伝の差。
・メジャーはインディーズに共通認識、形式を与え、
インディーズは人材を作る、
そういった構造が綺麗?
・インディーズのメジャーと比べての特徴
-損益分岐点の低さ
-低予算
-ニッチ狙い
-ユーザーの忠誠度
-後置きフィルター(反応を見て後々の展開を制御できる)
・インディーズにおけるニッチファン
メジャーと違い、大衆性よりニッチファンの獲得が重要?
作品を見て、そのサークルが作ったとわかる強力な個性。継続性。…などなど。
・コンテンツのマイクロ化
音楽では販売の単位が、
アルバム(CD)→曲(i-tune storeなど)→サビ(着メロ)と小さくなっており、
販売の形式も変わっている。一概にアルバムという形式にこだわる必要はない?
■第二部
「インディーズ作品だからこそ出来る事」
・ここでの同人の定義は、作り手と直接流通をしているもの。
会社を媒介した委託などは含めない。
・とらのあな で扱うタイトルは2000~2003年頃に大幅に増えた。(この頃type-moonの「月姫」ブームメントであった)
・2003年では1400タイトル扱っていたが、実は2009年でも同じ程度の本数である。
内容の指向性などは変わっているが、扱うタイトル数は変わらない。
・とらのあな で扱っていた同人音楽は2001年ではなんと0本(!)
→初音ミクや東方アレンジなどの同人音楽が近年劇的に増えた。
・とらのあな がタイトルを決定する基準は厳しいわけではなく、95%は断っていない。
→中身で決めている訳ではない。(少しは見るが)
前作がある場合はそれも参照される。
・インディーズで安売りセールをしないのは「一度商品価値を下げると、上がる事は決して無いから。」
・ショップ現場でPRするには限度がある。
メジャーとは違い、棚の入れ替わりがあり期間が限定されてしまう為、事前に作品を告知する事が重要。
・「知ってもらう」のが大事。ユーザーにアピールすることの大切さ。
ニッチな産業故に必要となる要素。
「同人ゲーム制作支援からの四方山話2」
・コピーとプレス
コピーは少量生産に向く。単価は枚数に線形比例。
プレスは少量では単価は高いが、1000枚以上になると安く早い。
・6つの要素
1:マーケティング
-ターゲッティング、他サークルとの違い。
-サークルにあったイベントに出る事が効果的。
2:インパクト
-過去のゲームシステムプロパティ(操作が分かりやすく馴染みやすい)
-制作者本人のキャラクター
-「ジャケ」買い
3:適正価格と生産枚数
4:スピード、タイミング
-制作スピードとサイト更新スピード
-ユーザーと盛り上げていく。
-発表のタイミング
-イベントに合わせるのが普通だが、敢えて外す手も?
5:継続性
-スキルアップ、コミュニケーション
-サイト更新、レスポンス
-感想を貰うことで傾向を知る。
-ユーザーは意外なところから現れる
-サークルの知り合いなど…。
6:宣伝
-体験版と情報リリース
-各種WEB
-イベント会場
-新作パッケに旧作情報を載せる、など
■第三部
「商業視点から見た、同人と商業の違い」
・ロリと凌辱は危険。プレイするなら覚g(ry
・商業と同人の流通の違いは、
商業:メーカー → 販売元 → 取扱店 → ユーザー
同人:メーカー → 取扱店 → ユーザー
・告知、宣伝は早めに。
キャラを覚えてもらおうと思っても、発売3か月前に告知しては覚えてもらえない!
・広く受け入れられる3つの要素の強さ
1:コンセプト
2:セールスポイント
3:ターゲット
→パケ絵から3つの要素が読み取れるか?
※この時未公開な■■■(いえないw)の画像w
・PCゲーム(えろげ)に何故学園モノが多いか?
→コンセプトが分かりやすく、広いターゲッティング。
・同人と商業の違い
1:価格面
2:販促面
3:企画面
「同人、商業を遠し、13作品の制作で学んだゲームの売り方、作り方」
・FLATの生い立ちを同人の時代から追っていく
・同人時代の価格の設定
→2,000円台はほとんどなく、1,000円台が主流。
・ムービー(PV)は重要。それを見て買う人は多い。
・コンセプト、セールスポイント、ターゲット がはっきりしていないと当たりにくい。
・更新の間隔が長いとサークル名も忘れられてしまう。
→制作間隔を上手く調節するためにAVGだけではなくSTGを作った。
■第四部
「ディスカッション」
・サークルの地域分布。
→関東圏がかなりを占める。
・委託の最小ロットは決まっていないが、ビジネス的にはプラスになる必要がある。
300~程度でないとほぼ利益にはならない。
・商業だと損益分岐点から見て、フルプライス(8,800円)で利益を4,000円とすると、
3,000盆が下限、利益を得るには5,000盆は必要なライン。
→FLATさんは8,000本を目安にしている。
・ジャンルによる間口の広さ。何かのゲームに似ている、操作のプロパティ。
→ACT, STGは間口が広い。NVLはもっと広い。
(操作が分かりやすく、周知のものであった方が受け入れやすい?)
・静的ゲームは商業化の例があるが、動的ゲームは何故商業化の例が無いのか。
→TGLさんはACTを制作したところ、4年かかってしまった。
動的ゲームではやはり時間がかかり採算的な問題がある。
故にコンシューマ化は難しいのではないか。
しかし、PCではコンシューマ機と比べ、動的ゲームに対しても開発の敷居は低いのでは。
予想以上に量が多かったので、箇条書きにしてみました。
今回は主に商業との比較という事で、実際に同人サークル側が何をすべきか、同人サークルが現在進行で行っている方法、
という直接的な部分は薄かったですが、
委託ショップやプレス屋、商業という視点で見た場合、何がポイントになるかが見える気がします。
特に、
1:コンセプト
2:セールスポイント
3:ターゲット
という3点は商業でも、同人でもPRするにあたって重要なポイントであると感じます。
これがユーザに伝わってこそ、分かりやすさが生まれ、それが購買意欲に繋がるというのも自然に見えます。
あとはやはり宣伝の部分でしょうか。
単に委託やイベントに出店したところで、その事実を買い手は知らなければ作品の認識されようがありません。
それに加え会場やショップで目に付くような工夫が必要ともいえる。
お店側ではフォローするにも限度があります。
しかし買い手が欲しい!と思った時に買える状況にできる、という意味では制作側にできない事でありますし、
それに繋げる為に作り手ができる事はありそうです。
少し余談ですが、先日のコミケ、コミティアでぶらぶらとしていて分かったのですが、
閉会直前で作品を売り切ったサークルは、ポップや事前の宣伝が上手かったサークルが多い印象を受けました。(勿論島中で)
あ、このサークル聞いたことがある。この作品の名前は聞いたことがある。
これだけでもパッケージ裏を見ようと思う要素になりますよね?
自分もそんな感じで買ってしまう事が多々ありますw
それでもって手に取って、ポップを見て、へーこんなゲームなんだ!と思って、
作者の方に熱い説明を受けて、ムービーを見たら、もう即決ですよねw
そういった分かりやすい流れ、が必要な要素なのかもしれませんね。
ある意味基本的なことなのかもしれませんが、難しい部分であると同時に、
サークルによる個性が発揮される部分だと思います。
…
量が多いのでこの程度にしまして、本レポートを締めたいと思います。
ふと思った考察、もうちょっと深い考察などはtwitterの方で呟きますので、興味ある方は見てみて下さい。
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