★3:フリーシナリオ考察 【受動的シナリオ】 と 【能動的シナリオ】2010/07/07 (水) 20:49
はじめに一言示しておくが、私は「読む」タイプ(後述)のものも大好きである。
決して否定をしている訳ではなく、あくまでも一個人の考察である事を留意して頂きたい。
RPGにおけるフリーシナリオとは具体的にどのようなものを示すのだろうか?
私の中の簡単な解釈としては、
シナリオの流れに囚われず、プレイヤー自らの意思でシナリオに干渉できる。
一本道(受動的)シナリオとは対極とは言わないが別のポジションにあるもの。
…であると思っている。
一般的なRPG(ここではJRPGに限定させて頂く)では物語を追ってゆくスタイル(受動的=「読む」スタイル)が普及し、
今やシナリオは構成要素として欠かせないものとなっている。
しかしドラマティックな物語が戦災に描かれるのは良いが、プレイヤーが介入し辛くなっているのも明白である。
これはビジュアルなどの秘術的な部分を覗いて考慮しても、
シナリオそのものがその様な傾向を意識しているかの様な感覚を覚える。
(技術に合わせたシナリオ制作が行われている可能性も勿論の事考慮しなければならない。)
没頭できるならばそれで良いかもしれないが、
本来のジャンル意味(ロールプレイング=演じる)やゲーム性を考慮すると
問題を生じされる要素になる事もある。
特にRPGでは他ジャンルと比べ、シナリオを読む事は、ゲームクリア・ゲームを楽しむ事、にほぼ必須と言え、
更には大きな物語を追ってゆくからこそ尚更問題であろう。
良く言われる皮肉「ノベルゲーで良いじゃん」という言葉の裏を返せば、
ゲーム性がシナリオの足を引っ張っている。
とも読み取れるのだ。
この様な事が何故起こってしまうのか。
以前書いた考察日記でも取り上げた「RPGのシナリオ」に物語が最適化されなかった結果故であると私は考えている。
これは勿論RPGに限って言える事ではなく、他ジャンルも同様の事が言えるであろう。
では能動的シナリオとは具体的にどういうものを示すのか。
ゲーム性と共存するシナリオとはどのようなものがあるのか。
その一例としてここでは「フリーシナリオ」を挙げたいと思う。
既存のゲームでフリーシナリオと言われているものは多くの種類があり、
一概にこれ、と表す事は出来ない。
「ロマンシングサガ3」(SFC/スクウェア)では、
最序盤は選択したキャラクターのシナリオに沿うものの、
ゲームのほとんどは用意されたイベントを自由な順番で攻略していくものである。
このシナリオ選択の自由度とゲーム性の摩擦
(行ける場所は自由なのに敵が強いなど)の問題を解決する為、
プレイヤーの成長度合い(厳密には違うが…)によって出現する敵のレベルを
変化させるなどの工夫がなされている。
→シナリオを楽しむだけでなく、シナリオがシステムを阻害しないつくりになっている。
…
一方、アドベンチャーゲームやノベルゲームにある選択肢によってルートが変化する、
というものもプレイヤーが自分の意思で能動的にシナリオ関与できるという意味では、
にある種の「フリーシナリオ」といえるのではないか。
→これらのジャンルではお話を読み進めるというスタイルの為、
プレイヤーが行動しその反応を得るという場面が極めて少ないが、
「選択肢」によってゲームならではでの物語の分岐が得られゲーム性を高めている、
とも考える事が出来る。
※STGやACTではプレイヤーの行動(操作、アクションなど)で状況分岐するため、
ここでいうシナリオにおける分岐とはまた違うものである。
…
フリーゲーム「シルフェイド幻想譚」(Smoking WOLF様)では、
元々用意されているシナリオ(世界設定)はあるものの、
どのイベントをどのタイミングで消化するかで状況が変化し、
攻略方法も状況に応じて変化してくる。
これはゲームだからこそ出来るシナリオの楽しみ方であると私は考えている。
小説や漫画では必然的にストーリーは絞られてしまうからだ。
IFの世界(分岐)を違和感無くストーリーに組み込む事ができるのが
「フリーシナリオ」(ゲームシナリオ)の特徴とは言えないだろうか。
勿論、単純にシナリオが分岐するだけでは全てのシナリオを消化しようと思った場合、
また1からスタートし重複して遊ぶ必要性が生じる。
しかしそこもゲームだからこそ「遊び」に変化させる事ができる。
状況に応じたゲーム性を押し出すチャンスと考えるのだ。
ex)仲間になるキャラクターが違う・手に入るアイテムが違う・イベントのクリア順が
変わり他のルートとは違ったクリアの仕方が要求される、など。
ゲームらしいシナリオ。
これが全て当てはまるとは勿論の事当てはまらないが、
私一個人の考えとしてこの様なものがあるのではないか、と思います。
そういった部分も今作品(Himmel)で上手く表現できればなぁ…と思っています。